算数と数学は目標を達成したり夢を叶える為のツール(手段・道具)だと僕は捉えています。社会人生活を13年過ごしましたが、微分・積分・数列・行列・複素数等々、高校で勉強した難しい数学を仕事で直接的に使う機会は多くありませんでした(発電所の社長をやっていた時は、データ分析の為、統計や確率論を使っておりましたが)。じゃあ、あの努力は全く意味がなかったのか。
僕自身の答えは、否です。直接的に使う場面は確かに少ないですが、夢を叶える過程や、ビジネスを成功に導く過程では、算数数学的な思考はめちゃくちゃ役に立ちます。算数・数学という学問の凄いところは、仮説を立て(Plan)、実際に解き(Do)、解けた解けないを判定し(Check)、解けなかったら違うやり方をする(Action)を自然と学べるところです。良く社会人になった時の研修やビジネス本で「PDCAを回しましょう」と説明を受けたり書いてあったりしますが、社会に出てからその様な思考の癖を一から身に付けるのは大変だと思います。実際に僕の周りで活躍していた起業家や仲間は、このPDCAを高速で回し続けています。(正しく努力する。ちゃんと考えなければ努力は無駄になる。と言った言葉も近いかもしれません。)
僕自身、PDCAという横文字の言葉を見ると「何かっこつけてんねん。最後は根性と気合やろ。」と斜に構えていましたが、(確かに気合の方がPDCAより大切なものの)何より発電所の社長をやっていた時に自然と実践していた事がPDCAでした。①問題が起きた時に仮説を立てる②その仮説の通りやってみる③うまくいく(→終了。次の問題に対処)、うまくいかない→④違うやり方を考えてまた①に戻る。それをひたすら繰り返す。
「こうやったらうまくいくんかな、あ、違うか。じゃあこうやろうか。これはうまくいったな。じゃあこの先はこれを続けてみよう。」この思考は目標を達成する為に大切な考え方ですし、算数と数学で得られる最も大切なものだと思います。
近年の中学受験の算数は制限時間が短すぎる(例えば50分で小問15-20問等)が故にもうPlan(解き方)の設定を一度間違えたら厳しかったりしますが、京都大学の二次試験は150分で大問6問と、じっくりとPlanを立てさせる意図があります。更に言うと京都大学の二次試験は小問による誘導やサポートは略皆無で、圧倒的な仮説力を試されます。
何かの数学の教材の見出しで確かにそうやなと思う言葉がありました。「君たちがこれから社会に出て解決する課題は答えのない難しい問題だ。答えのある問題を解けないのに、答えのない課題を解決できるはずがない。」極論ではありますが一理あるなと。算数・数学を通じて、思考する癖をつければ一生の財産になります。
でも、どれだけ最強の頭脳や思考力を持ったとしても、やる気や情熱が無ければ宝の持ち腐れです。思考力も大事。情熱も大事。両方大事なんですね。実はPDCAで一番難しい、希少性が高いのが、DoとActionです。
これは小中高大社会人、全ての時代に総じて言えるのは、Doし続けた人間が夢を叶えています。正しく仮説を立てる事は大切です。しかし、一番大切なのは「実行」。そしてその実行をより輝かせるのが思考力や仮説力です。社会人で多かったのは最高の思考力を持つのにDoできない人です。
やまさき塾で僕が大切にしてる声掛けがあります。「ナイスチャレンジ」です。「何でできへんのや」は僕にとっては絶対NGです。やっぱり誰しも間違ったら恥ずかしいと思うものです。それが正常です。当たり前です。でも「ちゃうちゃう、間違って恥ずかしいとか無い。挑戦するのがえらい。逆に間違ったら恥ずかしいっていう思考が恥ずかしいんだ」という事なんです。子供たちが間違いを恐れずにDoできるマインドになる様に、大人が寄り添う事が大事だと思っているので、間違いを責めると委縮してしまいます。間違いは全然OK。他人の目を気にしない。これ超大切。挑戦したことを、発言したことをほめる。
算数・数学を通じて生涯の財産となる思考力・仮説力を身に付け、先生からの適切且つポジティブなアプローチで、生徒の行動力を引き出す。やまさき塾がそんな場所になる様にこれからも一生懸命頑張ります。